アトピー性皮膚炎の治療

原因を取り除くために─日常生活で工夫できること
乳幼児期は食べ物(特に卵)がアトピー性皮膚炎の悪化因子となることが よくありますが、乳幼児期を過ぎると、ダニ、ハウスダスト、カビなどの 環境的な要素がアレルゲンとなりやすいです。 この環境的な要素は生活の中の工夫や努力によってかなり減らすことがで きます。特に、ダニはアトピー性皮膚炎に深く関係する悪化因子です。ダ ニはホコリを餌に繁殖します。普段からこまめな掃除を心がけ、室内を清 潔に保つことが大切です。特に寝室の掃除や換気は念入りに、また寝具の ダニ対策も試してみてください。
強いかゆみがある時のステロイド外用剤プロトピック軟膏を中心にしましょう
プロトピック軟膏の利点と使い方


プロトピックは、免疫(めんえき)抑制薬(よくせいやく)です。プロトピック自体はステロイドよりも強い炎症(えんしょう)を抑(おさ)える作用を持っていますが、残念(ざんねん)ながらステロイドよりも皮膚(ひふ)からの吸収(きゅうしゅう)が悪いのが欠点(けってん)です。そのため、吸収率(りつ)の高い顔や首の皮膚の炎症やかゆみにはとても効果的(こうかてき)です。一方、皮膚(ひふ)からの吸収率の低い手足や胴体(どうたい)では、ステロイド外用薬(がいようやく)の方が効果的です。アトピー性皮膚炎(せいひふえん)は、顔に発疹(ほっしん)を繰(く)り返しやすい病気です。強いかゆみと引(ひ)っ掻(か)きのために、顔全体が赤い患者(かんじゃ)さんをよく見かけます。強いステロイド外用薬を顔に継続(けいぞく)して塗(ぬ)ると副作用(ふくさよう)がでやすいので、赤ら顔の治療(ちりょう)にはとても困(こま)っていました。プロトピック軟膏(なんこう)の登場(とうじょう)によって、赤ら顔の患者さんは激減(げきげん)しました。画期的(かっきてき)なことでした。

プロトピック軟膏は、ジュクジュクがひどい場合や血が出るほど引っ掻いているところには塗ってはいけません。プロトピック軟膏は有効(ゆうこう)な薬なのですが、塗ったところがほてったりヒリヒリするのが最大の難点(なんてん)です。しかし、3日間ほど続けると慣(な)れてきてヒリヒリしなくなります。ヒリヒリが強くてプロトピック軟膏を使用できない人は、10人に1人くらいです。ヒリヒリして塗ることができない時には、3日間ほどステロイド外用薬を塗って皮膚の炎症を弱めてからプロトピック軟膏を塗ると、ヒリヒリが少なくなります。また、保湿(ほしつ)外用薬を塗ってすぐにプロトピック軟膏を重ね塗りすると、ヒリヒリが少なくなります。

さて、顔や首のかゆみや皮膚炎には、ステロイド外用薬よりもプロトピック軟膏の方がよく処方(しょほう)されるようになりました。効果もありますし、ホルモン作用による副作用がないからです。しかし、顔や首以外のところは、プロトピック軟膏だけでうまくコントロールできる人もいますが、それほど多くありません。プロトピック軟膏の吸収率が悪いために、プロトピック軟膏だけではかゆみを十分に抑えられず、ステロイド外用薬と一緒に使ってうまくコントロールしている人が多いのです。

プロトピック軟膏とステロイド外用薬を一緒に使うことにより、かゆみの抑制効果も高くなるとともに、お互いの使用量が少なくすんで、副作用も減ることがわかっています。

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